子供の治療について

当院の子供の虫歯の治療方針について

子供の虫歯は、その年齢に応じて、またその子供本人の性格、反応によってその対処法もさまざまです。
おりこうさんに処置が出来る場合、その場合は何の問題もなく、処置していけばいいでしょう。
でも大多数の子供の治療の場合、いきなりはじめてのことをして、一度でも歯医者に来るのがいやという事になると
1本の虫歯が治療できないだけでなく、ほかにもたくさんの虫歯を作ってしまったり、ひどい場合には
大人になっても歯医者に怖くていけない、というトラウマを抱えこませる場合があります。
そうならないように当院では次のような段階を踏んで治療を行っています。

1歳から3歳くらいまで


特にはじめて歯医者に来るというお子さんは、歯医者がどんなところか、何をされるかという不安でいっぱいです。
まずは治療に使用する器具を、実際に触ってもらって、どんなことをするのか、ということを見せます。
もちろんこのころの子供は全部理解できないので、治療といってもブラッシング指導や、サホライド塗布といった
虫歯の進行抑制処置が中心になります。

4歳以降の子供(特に非協力児)


大きな虫歯や痛みを伴って来院することが多くなります。
しかし先に書いたように、強引にその虫歯だけを処置すればいいと言うことではなく、将来にわたって、健康なお口を
作っていくという観点から、まずは虫歯の進行抑制の処置から入ります。
具体的にはサホライドという虫歯の進行止めを塗って、虫歯が進行していくのをゆっくりにしていく、というものです。
痛みがあるときには、この薬と、鎮静効果のあるセメントで一時的にふたをして、痛みを取ってやリます。
一番の特徴は、サホライドを塗ると、虫歯のところが真っ黒になるということです。
したがって前歯で抜け代わりがもうすぐという場合にはなるべく塗らず、奥歯だけにとどめたり、とてもひどく虫歯になっている場合には
とりあえず前歯でもサホライドを塗ることがあります。
そして、治療が上手に出来るようになったら、黒いところを取り除いて白いプラスチック、もしくは金属で詰めていくという
やり方で治療を進めて行きます。
そして詰めたら終わり、、、ではありません。そこからさらに虫歯にならないように予防していく、と言うことが重要です。

サホライドを塗ると、その後削っても痛みが出にくくなります。(もちろん痛みが全くなくなるというわけではなく虫歯を取ったとき
の痛みが少なくなるという意味です)すこし削っては、サホライドを塗り、また次回削ってはサホライドという具合に
どうしていっぺんに治療してくれないんだろうと思われるかもしれませんが、出来るだけ麻酔なしで、治療しようという
方針からです。

最終的にはきれいな永久歯に生え変わり、虫歯が口の中にないというのが目標です。
じゃあどうせ生え変わるからむし歯なんてほって置いてもいいじゃないか、といわれそうですが、虫歯をほって置くと
6歳臼歯が前によって来たりして、歯並びに悪い影響が出てきます。また、むし歯が根っこまで進行した歯は、
早めに抜けようとする傾向にありますが、早く抜け替わった永久歯は根っこが短いような気がします。
当然将来良いことはひとつもありません。
そして何よりも、むし歯が1本でもあれば、虫歯が作られる口腔内の環境であるということです。その環境をより良い方向に
向かわせるために、ブラッシング指導や、フッ素の応用などを行っています。(食生活の改善も重要と考えています)


守ってほしいこと

歯医者嫌い、歯医者が怖いというお子さんの、お母さんもたいていその傾向があります。
はじめての歯医者で、その時点で怖がるというのは、歯医者が怖いものだと何らかの形で情報を得ているわけです。
その情報源は、家族であることが多いので、まず歯医者は怖いところだよ、とか、虫歯になったら削って痛いよ、
とか、ネガティブなイメージでむし歯予防、ブラッシングするのではなく、ブラッシングは楽しいからやる、気持ちいいからやるという
ような考えで行ってください。
また歯医者に来るときは、うそを言って連れてきたりしないで、ちゃんと歯医者に行こうねと言ってつれてきてください。
また治療中、痛くないから、、、と言うことを言わないでください。痛と言う言葉を聴いただけで、痛くない、のないは子供には
聞こえません。

最後に

当院では歯を削るときの音がなるべくしない様、モーター式の削る道具を使っています。待合室で待っているとき
ほとんど歯を削る音がしないと思います。

きれいな大人の歯を作っていくために、ガンバって治療していきましょう。