歯周病治療のこと

当院で行っている一般的な歯周病治療の流れに付いて解説します。

歯周病の治療は、そのほとんどが歯科衛生士の業務範囲であり、
言い換えれば歯科衛生士は歯周病治療の担当者といえます。

歯周基本検査

歯の周囲の歯肉と歯の間の溝のことを歯周ポケットといいます。プローベという器具で
歯周ポケットの深さを測ります。2,3mm以内であれば正常値ですが4mm以上だと問題があります。
深いポケットは、歯槽骨が吸収していることを意味します。また歯周ポケットは細菌のすみかになり
その歯周病菌の出す毒素により歯周病が進行していきます。
また根っこの表面には、ポケットの底の方まで歯石が付いており、これが歯周病菌の温床になります。
その他、出血具合や、歯の動揺に付いても検査していきます。
この検査は2,3ヶ月ごとに繰り返して行き、歯周病のチェックをします。


口腔内写真

口腔内全体の写真を撮影します。歯肉の状態、歯の状態、(虫歯など)粘膜の状態などを写真で記録します。
レントゲンでは判定しがたい、歯肉の状態の変化などがわかります。

パノラマレントゲン写真。

口全体のレントゲン写真です。1枚で口腔内全体が撮影できます。歯の植立状態、歯槽骨の状態、虫歯、
咬合平面、その他顎骨内の異常な像をチェックします。


ブラッシング指導


歯石をとっても、ブラッシングが出来なければすぐにまた歯石が付きます。また歯石を取るときに歯肉が
多少傷つきますが、ブラッシングが不十分だと歯肉から細菌の進入する危険があります。
まずはブラッシングが出来るように、ブラッシングのやり方を覚えてもらうようにしています。
一度きりではなく、何回も行っていって磨きのこしなどをチェックして行きます。


スケーリング


実際に歯石を取っていく作業です。歯石は長い間置いておいたものほど堅く頑固に歯に付着しています。
特に歯石の多い方の場合には、まず歯肉より上の歯石をとっていきます。
歯肉の中の歯石は黒く堅いことが多いですが、歯肉の中ということで、歯の根っこの部分となるため、しみたり
歯茎が痛かったりするので、初回では、あまり痛くなく取れる範囲で取っていきます。

歯石を取る道具には、手で持って使う器具と、超音波で歯石を取る機械があります。


再評価、再検査、精密検査

一通り歯石を取ったら歯肉の状態を再度検査します。
より詳しく歯の状態を調べる場合もあります。

スケーリングルートプレーニング、歯周ポケットソウハ


歯肉より下の見えないところ(歯肉縁下)の歯石を取って、その上で根っこの表面をきれいに均すようにします。これにより
歯肉が引き締まり、歯周ポケットの減少が図られます。ポケットが浅めの場合には麻酔は必要ない場合もありますが
ポケットが深い場合麻酔をしてとったほうがしっかり歯石が取れます。
麻酔がしにくい方(心臓病や高血圧どうしても麻酔がいやな方)の場合は出来るだけ、出来る範囲で、歯石を取って
いく事になります。
普通はお口を6回に分けてスケーリングルートプレーニングしていきます。

再評価、メンテナンス、定期クリーニング

歯肉の状態が落ち着いていれば一応これでメンテナンスにはいります。
深い歯周ポケットの場合麻酔しても100パーセント歯石を取るのは難しいとされています。
せっかく炎症が治まった歯茎もメンテナンスして歯肉縁下のプラークを定期的に取っていかないと
再度ポケットが深くなってきてせっかく麻酔してまで歯石を取った意味がなくなってしまいます。
3ヶ月に1度は定期クリーニングをしていきましょう。