歯磨きと歯ブラシ

何分くらい磨いたら良いの?、とかどんな歯ブラシが良いの?いつ磨いたら?
歯磨き粉はどれが?いずれもよく聞かれる質問です。
そんな時僕が答えるお話を書いてみたいと思います。
ステファンのカーブと言うのをご存知でしょうか?
これはステファンと言う人が何日かたった歯垢(プラーク)の中のPH(ペーハー酸性
アルカリ性をあらわすもの)が砂糖を口に含んだときから約3分後に酸性のほうに大きく傾き、
20分ほどでまた元に戻ると言うものの数値をグラフ化した物です。
そこから考えられて歯磨きは食後3分以内に、1日3回、3分間磨きましょう、と言ういわゆる
3、3、3運動と言う物が提唱されました。これは皆さんどっかで聞いたことがあると思います。

でもここでよーく考えてみてください。
果たして食後3分以内にすることに意味があるのか?
ステファンカーブでは糖分を口に含んで3分間たったとき酸性になりましたが、食事のときには食べ始めて
3分と言えばまだ食事中です。おまけに口腔内のPHが酸性に傾いているときに、歯磨きをすれば
歯が弱くなっているのにこすると言うことで、削れてしまいかねません。しかもPHはもとに戻ります。
これは唾液の緩衝能によるもので、いったん少しとかされた歯の表面も、唾液の中のカルシウムによって
再石灰化されることが分かってきました。したがって食後すぐに歯を磨くと言うことは、せっかく出てくる唾液を
洗い流してしまうので、良くないんじゃないのか?そう考えることができます。
それにステファンカーブから考えても、何も、食事してからプラークを落とさなくても最初にプラークを
落としておけば酸性になることすらない、、、(それじゃー実験の意味がないから元も子もないっ、
て話なんですけど、、、)
という事で歯磨きは食事の前が良いという事になります。

じゃー3,3,3運動は間違い??と聞かれると事実は間違いではなかったんです。
現実にその運動が叫ばれて、歯磨きを食後3回とは言わずともするという習慣が広まったおかげで
日本の虫歯の数は明らかに現象してきています。ですからあながち間違いともいえない、、、
どのようにいうのが正しいのか、僕も非常に悩んでいるところです。



じゃーどのくらい磨けば良いの??
ですが、これもきれいになるまで、、、としか言いようがありません。ただし、僕たちが患者さんのお口の中を
歯ブラシするときにでも、5分から10分はかかります。皆さんが磨くのにこれより早く、
きれいにすることって言うのは可能ですか??とお聞きしています。じっさい歯科衛生士さんたちも
歯ブラシにこのくらいかけていますし、僕も時には20分くらいかけて磨くこともあります。
隅々まで磨くとそのくらいの時間はかかるでしょう。
じゃー毎日毎日毎食後そんなに磨けないといわれそうですが、実際無理でしょう。
念入りに磨くのは1日1回で良いです。また特に念入りに磨くのは(歯間ブラシやフロス、糸楊子
などを使って)1週間に2回くらいで十分と考えています。(人によりけりですけど、、、、、)

歯ブラシの種類ですが、僕の家の僕の歯ブラシは数本ころがっています。特にどれが良いという事は
ありません。それぞれ特徴のある歯ブラシですから、それぞれに得意不得意があります。
基本的には小さ目の歯ブラシを歯の周囲一周をきれいに磨くようにする、、、こう書くと簡単ですが
これがなかなか難しい。食器を洗うのには何が良い??と聞かれてもカメの子たわしでも良いし
ナイロンたわしでも、場合によってはふきんだけでも、、といろいろです。
どれが特に優れているということはありません。ただどこを磨くのが得意なのかという事を頭に入れて
磨くと効率的でしょう。(この磨き方についてはまた別の機会に書きたいと思います、、長くなるので、、、)



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